無響室・半無響室

無響室

無響室 アコス工業

無響室・音響試験室は、アコス工業の防音材、吸音材で、
実績・技術・信頼で、良い音環境を実現

 アコス工業では、鋼製防音パネル(アコスパネカット)・防音シートをはじめとし、自社製品の各種防音材と吸音材を使用し、無響室・音響試験室の防音工事をおこなっております。適材適所で、できるかぎり自社製品を使用することで、コストダウンをはかり、お客様のニーズに対応いたします。
無響室 設計・防音工事 半無響室 音響設計・防音工事
無響室の場合は、外部、隣戸からの騒音対策が、必要不可欠となります。設計目標とする無響室内暗騒音レベルは、測定する音源の最小レベルより-10dBが理想です。防音構造は、外部・隣戸からの騒音レベルを測定あるいは予測し、この目標とする無響室内暗騒音レベルより、遮音レベルを計算し設計します。
単一部材の遮音性能は、入射音の周波数と材料の面密度の対数に比例します。(質量則)つまり、材料の重量が増えると遮音性能があがります。しかし、質量則では、重量を2倍(同一材なら厚みを2倍)にしても6dBしか遮音量は増加しません。
○質量則による遮音量の計算
垂直入射;TL0=20log10fm42.5
拡散入射;TL=TL010log10f0.23TL0
・f[Hz];入射音の周波数
・材料の面密度;m[kg/u]
・m=ρ×t ρ;密度[kg/m^3]、t;厚さ[m]
この質量則以上の遮音量を得るには、部材間に空気層をとった二重壁を構成することにより可能となります。また、この部材間の振動伝達を抑えることによりさらに防音性能が向上します。したがって、無響室のような高度な防音性能が必要な場合は、防振設計が必要不可欠となります。
無響室 防音構造
無響室の防音構造
音は空気を伝播してくるもの(空気伝播音)と壁・床・天井などの物体内を伝播するもの(固体伝播音)があります。固体伝播音は、その物体が振動することで音が伝播するので壁などを厚くするだけでなく防振構造(浮遮音層)が必要となります。特に無響室のような高度な防音が必要な場合、防振構造が必要不可欠となります。また、地下鉄や地上の鉄道、周辺道路の振動などの影響がある場合も、防振対策が必要となります。
防振材の種類は、防振ゴム、金属スプリング、エアーサスペンションなど様々ですが、無響室の防音工事に使用される防振材は、ほとんど防振ゴムです。防振ゴムにもいろいろな種類があります。一般には円筒型防振ゴムですが、最近では、リングマウント・ボールダンパーのような質の高い防振材が主流です。ゴム、ポリウレタン系の防振パッド・シート、フォーム材に組込まれているタイプは簡易防振材で、性能を追及する無響室の防振・防音工事には不向きです。
防振材の選定方法

1.固有振動数Foを10Hz以下に設定

防振ゴムの設定は、防振したい周波数の1/3の周波数に固有振動数(f0)を設定します。10Hzに設定すると、30Hzぐらいから防振性能が発揮されます。

2.固有振動数Foでの共振レベルが低いもの

固有振動数Foでは、振動レベルは増幅されます。このレベルが高い防振材では、無響室などの建築の防振材としては不向きです。通常の防振ゴムでは10〜15dBですが、15〜25dBと非常に大きな防振材もあり注意が必要です。この周波数付近でのレベルが増幅し、外部からの低い周波数の振動に弱く、上部での人の動きの揺れに問題が生じることもあります。

3.防振材の減衰特性が良いもの

内部摩擦抵抗が少なく、共振点の増幅が大きく、なかなか減衰しない防振材は、バネ自体の縦振動による共鳴現象(サージング現象)を起こすため可聴域の防振効果が悪くなります。内部摩擦抵抗が適度である防振ゴムの選定が必要です。
無響室の室内音響性能は、逆二乗特性の成立距離により決まります。逆二乗特性とは、室内の反射音が無い理想的な空間(自由音場)において、点音源から放射された音の音圧レベルが倍距離ごとに6dBの割合で減衰していく特性です。しかし、実際は完全な自由音場とはならないため、音源からの距離が遠くなると逆二乗特性が成立しなくなります。逆二乗成立距離が成立する距離が長いほど無響室の性能が良いということになり、この逆二乗成立距離で無響室が評価されます。
無響室の音響設計
逆二乗特性成立距離の許容偏差
無響室の性能は、逆二乗特性成立距離の長さを測定し評価されます。ISOでは、この逆二乗特性の許容偏差を下記表のように設定しています。無響室では、部屋中央に音源を置き、半無響室では、半空間放射を想定し、部屋中央の床に音源を置き測定します。
逆二乗特性成立距離の許容偏差 ISO/DIS 3745
1/3オクターブバンド中心周波数[Hz] 許容偏差[dB]
無響室 半無響室
630[Hz]以下 +/-1.5[dB] +/-2.5[dB]
800〜5000[Hz] +/-1.0[dB] +/-2.0[dB]
6300[Hz]以上 +/-1.5[dB] +/-2.5[dB]
測定対象物が、大型の機械や車両の場合、床面を吸音することが難しいため半無響室とする場合があります。また、予算や建築的な条件、大型の物も小型な物も測定する場合、床は吸音ユニットを敷き並べるようにして無響室としても使えるようにする場合もあります。半無響室の場合は、無響室に比べ測定精度がやや落ちますので、可能な限り無響室にすることをお勧めいたします。また、予算の関係上、吸音構造に吸音楔を使用していない簡易無響室もありますが、測定精度が落ちますので見積段階で注意が必要です。
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